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LiveWires T1とカスタムケーブルについて

  • 投稿者: APM
  • 2008 年 11 月 16 日 4:44 AM
  • IEM

LiveWires T1 の音にも大分慣れ、印象も固まってきたので、null audio で購入したカスタムケーブルの件も合わせてちょっとまとめてみようかと思う。

LiveWires T1 とは

http://www.livewiresforyou.com/

カリフォルニアにある EarPeace 社が製作・販売しているカスタム IEM。ドライバは 2 基で、ケーブルは着脱可能。そしてお値段 $249 と、カスタムの IEM としてはとにかく安いのが特徴。でも値段の割に音の評判がよかったので、今年の 8 月ごろに注文してみた。須山でインプレッションを取り、EMS で注文票と共に発送。装着したときに見える外側の部分と、装着すると見えなくなる内側の部分についてそれぞれ色の指定が可能。とりあえず定番と思われる『外側=黒、左内側=青、右内側=赤』にしてみた。インプレッション到着後にどれくらいで出来ますかとメールで質問してみたところ、追加で $25 払うと rush option ってのがつけられて早く出来るよと返答があったのでそれを頼んだ。ただ結果としては、約束していた期日に間に合わなかったので追加料金は払わなくてよいことになった。その後無事に到着したものの左右の位相が違ってヘンテコな音になってて送り返したりとかなんやかんやあったけど現在絶賛稼働中。

ちなみに注文前の質問に対するサポートは非常に早かったけど、注文後のメールの応答はあんまり早くなかった(客商売によくあることと言えばよくあること)。単純に人手が足りてないっぽい。あと製作部署と営業部署でいまいち顧客の情報が共有されていないらしく、なんだか向こうの言い分がチグハグになったりしていた。Head-fi ではあんまり電話にも出てくれないという報告もあったのでサポートにはあまり期待しない方がいいかもしれない。

LiveWires T1 の音

LiveWires の前は UE Triple.fi 10 Pro を使っていたのでそれとの比較を少し。TF10Pro が広い音場と量感で押してくるタイプなのに対し、LW はドライな音のキレが特徴的。響くような重低音は不足しているような感じもあるが全体的にはバランス良く、K701 みたいな雰囲気(音がドライなところも似ている)。透明感は TF10Pro よりも高く、LW の後に TF10Pro を聞くと、かなりもやっとしたように感じた。

音の解像度は TF10Pro とタメを張れるくらいのものはある。ただ高音が伸びきらないような感じがあり、シンバルのクラッシュなんかでは割れているような刺さるようなキツい音が出たりする。その点ではちょっと安物ヘッドホンに似たような雰囲気はあるかも。それとインピーダンスがすごく小さい。スペック詳細が見あたらないので詳しくは分からないけど、TF10Pro の 32Ω よりも小さいことは間違いない。アンプによってはフロアノイズが気になる(MiniBox-E+では相当影響があった)。

カスタム IEM ということで遮音性は良好だが、TF10Pro + Comply T500 と比べて格別に良いというわけでもない。まぁどちらも『これ以上デカくしたら耳がヤバい』というくらいの音量にしてようやく静かな部屋で音漏れが確認できるくらいなので、問題なし。T500 を超える超絶遮音性を期待していると若干肩すかしかなという気はする。

カスタムということで耳穴へのフィット感は気になるところだったけど、特に強烈な違和感はなく、作り直しを頼む必要はなかった。始めは片方はややキツく片方はややユルく感じられたけど、しばらくすれば耳が慣れると聞いていたのでちょっぴり我慢してつけていたら、確かにあまり気にならなくなった。

ウォームな TF10Pro、ドライな LiveWires という感じで好対照だったが、LiveWires の音になんとなく物足りないような気もしていた。

null audio のカスタムケーブル(The ‘Enyo’)

ちょうどその頃 Head-fi の LiveWires スレでカスタムケーブルの話が盛り上がっており、僕も製作を依頼してみたのだが、順番待ちの人がかなりいるようでなかなか連絡がなかった(最近その作ってくれる人自体があまり Head-fi に姿を見せなくなり、もしかしたらその件は自然消滅かも)。その少し後に null audio というシンガポールの人が UE の IEM 向けに The ‘Enyo’ という銀線を使ったカスタムケーブルを安く提供していることをたまたま知り、試しに「LiveWires のカスタムケーブル作ってくれませんか」と問い合わせてみたところ「実は何個か作ったことがあるのでいいっすよ」と思わぬ返事をいただけたのでそのまま勢いで注文した(そのしばらく後、商品のページに LiveWires 向け製作も正式に掲載された)。

そのときに提示された価格は 109 シンガポールドルで、日本円にすると 7000 円くらい。今公式ページでアナウンスされている価格は 89 USD で、少し高くなっている(ちなみに null audio のカスタムケーブル製作は 12 月までいったんお休みらしい。リニューアル前のホームページに「現在アンプを開発中」とあったのでもしかしたらその関係だったりして)。で、かなりそこから待たされたが無事に届いた。

さっそく聞いてみると、それまで LiveWires に感じていた物足りなさが何だったのかよく分かった。null audio のケーブルはオリジナルのケーブルと音の傾向自体は似ているが、情報量がかなり増す感じを受ける。どう表現したらいいのかよく分からないが、128kbps の MP3 から 可逆圧縮音源に変えた感じというか。あるいは Dock ケーブルを MOGAMI #2534 から AudioQuest の線に変えた感じというか。そんな感じである。元のケーブルに戻してみると、音のメリハリが薄く感じられる。そんな感じである。というわけで null audio のカスタムケーブルにはかなり満足である。本当はこれと TF10Pro の比較をしてみたかったが、実はこの時点で TF10Pro をすでに売却してしまっていたのでそれは出来ず残念。

オリジナルのケーブルにあった『高音が伸びきらないような感じ』は若干軽減されているような気もするが、やはり少しシンバル等が潰れるような印象は残る。ただ昨日あたりに気づいたのだが、このあたりは Dock ケーブルでも多少改善できそうだ。多少モヤり気味の TF10Pro にキレを与えるために使っていた「AudioQuest CV-4.2 -> PVCap -> CV-4.2 -> PHPA」というかなりイケイケなセッティングをこれまでそのままにしていたのだが、PVCap からアンプに繋ぐケーブルを CV-4.2 から 先日てきとうに自作した Belden 88760 に変えてみたところ、音場の立体的な広がりと同時に音に丸みを帯びるような効果が得られ、聞きやすくなった(キレは若干落ちたけど)。

ケーブルのコネクタについて

LiveWires のケーブルとイヤーピース本体を接続する部分の端子についてだが、Head-fi かどこかでは「Mini-BNC だ」と書かれていたような気もするが、僕が調べてみた限り Mini-BNC ではなく、『MCX 端子』である。というかオリジナルケーブルのプラグ部分に MCX と書いてある。

なんだかあんまり聞いたことがない端子だけど、千石通商のサイトを覗いてみると取り扱いがあった。このライトアングルタイプというやつだ。なんか背面のフタみたいなやつを開けて中に半田付けをしてフタを締めるみたいな感じっぽいけどどうなってるんだろこれ。ただ何にせよ、やろうと思えばケーブル自作も出来そう。是非 Jena 22G や ALO のケーブルでやってみたいものだ。

まとめると

カスタム IEM であるにも関わらず Triple.fi に価格面で勝り、かつ音質面でも引けを取らない、良い出来だと思う。カスタムは「買い換えようと思ったときに売却出来ない」という欠点はあるものの、やっぱり自分専用であることの満足感は何物にも代え難い。おすすめです。

本当は須山カスタムや UE11Pro との比較が出来ればもっと有益なんだろうけど僕はノーマネーです!


関連する記事:

  1. Null Audio Studioのリケーブル
  2. UE Triple.fi 10Proのリケーブル
  3. LiveWires T1向けカスタムケーブル
  4. null audioのケーブル断線
  5. 今年買った物


コメント:5

jiru 2008 年 11 月 16 日

詳しい感想&説明ありがとうございます。
感謝感謝ですw
Null Audioのケーブル凄く良さそうですね!
羨ましいです?
MCXですか!
クルクル回るからMMCXかなって思ってました。
てか、書いてあったとは・・・。
コネクタが手に入れば自作できそうですね。

APM 2008 年 11 月 16 日

MCX端子の半田付けは結構難しいらしいと聞いて僕は少し泣きました

jiru 2008 年 11 月 17 日

む、難しいですか・・・。
やはり素人には無理そうですね。
Null Audioの復活を待つことにします。

kazusaku 2009 年 3 月 9 日

はじめまして。
livewiresの購入を考えています。

livewiresの高音について、
純正ケーブル使用時に高音が割れているとのことですが、DAP直挿しでも高域の割れは改善されないのでしょうか?
耐久性や付け心地はいかほどのものでしょうか?

いくつも質問してしまいすいません。

APM 2009 年 3 月 10 日

どうもこんにちは。
以前書いたLivewiresの高音についての話ですが、いわゆる「割れて聞けた物ではなくなる」ということではなく、「刺さる」あるいは「高域が伸び切らなくなる」という感じです。ただ、現在はそれほど気にはならなくなっています。僕の耳が慣れてきたせいもしれません。
DAP直差しについては分かりません。というのは、5.5G iPodを既にiMod化してしまいましたので……
耐久性・付け心地については、他のカスタムIEMを持っていないので比較は出来ないですが、とりあえず問題ないです。使い始めてから数日は慣れるまで若干のキツさをや緩さを感じたりしますが、次第に馴染んできます。慣れた今の状態では、特に痛みなどもなく快適に使えている感じです。

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